思考断片

コックコートを着てチラシのポスティング

 

 ブランスリー2019年6月号で取材させて頂いた米粉パン専門店のオーナーは、歩いて来店できる範囲の地域で、チラシのポスティングを、厨房で着用するコックコートを着て行ったという。店が繁盛するかどうかは、地域の人たちとの間に信頼関係を築けるかどうかにかかっていると考えれば、パン職人としてのリアルな姿をさらけ出すという行為は、地域の人たちと向き合う覚悟のようなものを感じさせるし、彼らが店に対して心を開いてくれるひとつのきっかけになるだろう。

 店の名前とオーナーの顔をセットで覚えてもらうことは、店の信頼度を高める最も効果的な手段だ。この店のオーナーは、最初の4年間、毎月2回、コックコートを着て地道に地域の家々にチラシのポスティングを行った。その努力もあって、1日10斤だった食パンの販売数量が、1日100斤にまで増えたという。

 どんなにおいしいパンでも、それを提供する店と、それを購入する客との間に信頼関係がなければ、評価のまな板にさえのせてもらえないということを、改めて認識させられる話だと思う。繰り返しになるが、店の名前と、パン職人としてのオーナーの顔をセットで覚えてもらうことが大事だ。

[2019/05/21]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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