思考断片
リテールベーカリーのパンは、職人による加工度がかなり高い食品なので...
パン職人が小麦粉を捏ねて生地を仕込むところから丹精込めてパン作りをするいわゆる「リテールベーカリー」(ベーカリーは「パンの製造所」の意味でリテールは「小売り」の意味なので、「パンを作って小売する場所」という意味)は、日本にどれくらいあるのだろうかと思い、iタウンページで調べてみたら、「ベーカリー」のタグが付けられている事業所は、1万1047軒で、「パン店」のタグが付けられている事業所は、1万1421軒であった。
私がブランスリーを創刊した2000年においては、今とはカテゴリー分けが多少違っていたが、タウンページ(当時はわら半紙のような粗悪な紙を使った分厚い冊子だった)に掲載されていたパン製造小売の分類に相当する事業所は、確か1万6000〜7000軒ぐらいだったと記憶している。
仮に1万6000軒だったとしたら、24年で3割程度減少したことになるが、私の印象では、減ったと言えば減ったのだが、24年で3割程度の減少であれば、商店街の他の業種に比べたら、健闘しているのではないかとも思えてくる。
リテールベーカリーのパンは、職人による加工度がかなり高い食品なので、付加価値の部分が多いというのが大きな理由の一つだと思うが、昔の一部のパン屋のように、ただ作ってただ並べておくだけでは、商売が成り立たない時代にはなっている。
リテールベーカリー間の繁盛の度合いの格差が大きくなってきているのだろう。そうした中で淘汰されていく店が出てくるのは、世の常であり、その結果が3割減ということなのかも知れない。
[2025/02/04]