思考断片
小さな違法行為がそこら中に溢れることとなった
日本は列記とした法治国家だが、法律に書かれている文章が、その書き手が無能なため、大多数の日本人に理解できないように書かれていて、国の主権者である国民が、皆が共有すべき国のルールである法律の何たるかを理解しないまま、日々の生活を営んでいる。
人権などの概念がまだ浸透していなかった時代に、権力者が国を統治す際の根拠となった法律は、ロジックさえ通っていれば、一部の専門家だけが理解できればよかったのだろう。いや、一部の専門家だけしか理解できないように書かなければならなかったのだろう。その流れが今日まで続いてしまっている。
その結果、小さな違法行為がそこら中に溢れることとなった。例えば役所が決める様々な決まりごとは、ほぼすべて司法のフィルターを通っておらず、細かな法律不適合事項が散りばめられていることも多い。
善良な国民は、それによって多少の不都合が生じたとしても、いちいち抗議することもないし、そもそも法律の何たるかの本質を知らないのだから、抗議のしようもないのだ。条文がすべて頭に入っていなくても法律の何たるかを理解していれば、普段の生活の中に潜む細かな法律不適合事項には気付くはずだ。
法律不適合事項をばらまくのは役所だけではない。善良なソフト開発者に有害ソフト開発者の汚名を着せる超有名なセキュリティーソフト、平気で独占禁止法を踏みにじる超大手IT企業、はたまた、威力業務妨害をことあるごとに繰り返す中小企業の社長、などなど、数えれば切りがない。
皆が法律の内容を共有し、昔、友達との争いごとを担任の先生に仲裁してもらったように、皆がもっと気軽に司法の場を利用できるようになればいいと思う。
[2025/03/20]