思考断片

決して1枚の絵になることがない。

 

 私が、月刊ブランスリーを立ち上げた2000年頃は、Windowsが普及したお陰で、インターネット時代の幕が開け、「これから世の中はどう変化していくのだろう」と、期待と不安が入り混じった心持で、時代の雰囲気を噛み締めていたように記憶している。

 あれから15年経った今、改めて思いを巡らせてみると、情報に関する事情は劇的に変化し、私たちは、日々情報の洪水にさらされている。この高度な情報化社会の恵みは認めつつも、ここまで情報が多くなってくると、その有り難みが薄れてきて、ひとつひとつの情報に対する接し方が雑になっているように思える。

 情報を集めるのにそれなりの時間と労力が必要だった時代は、取得したひとつひとつの情報について、もてる限りの知力を使って、様々な角度から深い分析を加え、そのエッセンスを抽出しようと努力したものだ。

 しかし、いまは事情が違う。情報が断片的になり、その断片的な情報が、多くの人々の脳を素通りしてしまう。情報の断片を、ジグソーパズルのパーツに例えるなら、それらのパーツは、ばらばらの状態のままさまよい続けるだけで、決して1枚の絵になることがない。

 ツイッターやLINEは、使い方を間違えると、こうした風潮をさらに助長する凶器になりかねない。

[2015/06/12]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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