思考断片

自らの価値感を絶対化し、他者の価値感をさげすむようなことはしないでほしい

 

 「食」は、生命を維持するために必要不可欠のものだが、人間にとっては、その本質的な意味合いのほかに、その様々な味わいや食感によって、かけがえのない楽しみを与え、人生を豊かなものにしてくれるという側面も持ちあわせている。楽しみを与えてくれるものは、それ自体が貴重だ。

 人々は、それぞれの嗜好と経験によって、それぞれの食の宇宙の中で、毎日、食の楽しみを享受している。口にした料理を瞬時に解釈し、最小単位の味や食感にまで分解して、それらを脳の食のキャンバスの上で再構築してから、ゆっくり咀嚼し、飲み込む、というのも食の楽しみ方だし、この上なく空腹の時に、自分がこの世で最も好きな食べ物を、力いっぱい噛みしめて、一気に胃袋に流し込む、というのもまた、食の楽しみ方だ。

 どれがよくて、どれが悪いということは、一切ない。グルメぶって、食のうんちくを語るもよし。好きなものをむさぼるように食べて、その快楽と興奮に浸るのもよし。

 ただ、ひとつだけ言いたいのは、自らの価値感を絶対化し、他者の価値感をさげすむようなことはしないでほしい、ということだ。そのような言動には失望するし、そのような言動をはばからない人を、私は尊敬できない。

[2017/04/17]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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