思考断片

パン食文化の伝道師

 

今回の消費者アンケート企画では、パンを買うときに、接客とおいしさをどれぐらいの比率で重要視するかについて、パン屋で買う場合とコンビニで買う場合について探ってみたが、パン屋で買う場合もコンビニで買う場合も、接客よりもおいしさを重要視する度合いが高いのは同じだった。

消費者は、パン屋だろうがコンビニだろうが、パンにはおいしさを強く求めているのだ。しかし、求めるおいしさの質が違う。

価値観が多様化する社会においては、食に対する価値観も様々で、味覚も百人百様だ。コンビニのパンの分かりやすくてインパクトのある味が、たまらなく好きだという人もいるし、パン専門店のパンの様々な要素が複雑に絡み合った奥の深い味を好む人もいるだろう。

求める味の質は、経済的なバックグラウンドにも関わってくるし、食への興味の度合いにも関係する。

パン屋の立場から考えると、食への興味が深い人が今より多くなり、食にそれなりのお金を使える人がもっと増えてくることが好ましいと言える。

様々なパンの文化的な背景にも心動かされる人たちが日本中で育っていくように、日本中のパン屋が、日本中でパン食文化の伝道師となって、地道に普及活動を行っていくことが大事だ。そして、これまである程度そうしてきたからこそ、今の日本のパン食文化があるのだと思う。

[2021/06/19]

INFORMATION

小平隆一
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住