思考断片

コピー機のトナーって、微粒子だって聞いたし...

 

一昨日、A4サイズのコピーを大量に行ったら、鼻がむずむずし、明らかにトナーの飛散量が普段より多いと感じた。
ふと、「コピー機のトナーって、微粒子だって聞いたし、それが空気中に飛散したら、いかにも身体に悪そうではないか」と思い立ってしまった。「そういえばPM2.5とかいって、話題になっていたな」とも思い、少し調べてみた。

まず、トナーの粒子の大きさは、5μm(マイクロメートル)で、1μmは1000分の1ミリだから、1000分の5ミリということになる。PM2.5は2.5μm以下の微粒子状物質のことで、人間の肺の奥にまで到達しやすく、健康被害が疑われている。トナーはこの文脈で言えば、PM5ということになり、PM2.5の倍の大きさだ。倍の大きさであれば、大丈夫かというとそうでもないらしい。

日本の法律で、ビル管理法というのがあり、そこで、ビル内の空間中の粒子状物質の濃度の基準値が決められている。具体的には、濃度が0.15mg/1m3と定められている。そして、ここでいう粒子状物質を直径10μm以下の大きさとしているのだ。超えないことを目標とする基準値が存在するということは、すなわち、PM10についても健康被害が疑われているということになる。

PM2.5とPM10については、欧米では以前から大気環境における基準値が設けられている。例として米国の2006年に改定された最新の基準値をあげると、PM2.5については、24時間平均で 35μg/m3、PM10については、24時間平均で 150μg/m3となっている。この2つの基準値は、基準値としての定義の仕方が違うので、単純比較はできないが、PM2.5の基準値の定義のしかたで、PM10の基準値を求めると、150μg/m3よりは大きくなるので、PM2.5よりPM10の方が基準が緩いことに変わりはない。また、前述のビル管理法で定める0.15mg/1m3は、つまり150μg/m3であるから、みごとに米国のPM10についての基準値と一致している。

PM5についての基準値は、私が調べた限りではなかったが、もし設定するとすれば、PM2.5のそれより大きくて、PM10のそれより小さくなると考えられる。

ざっと、このような感じだが、職場での健康被害などを扱う、厚生労働省の該当部署に電話して聞いてみたら、コピー機のトナー粉塵については、現在のところ問題として意識されてはいない、とのことだった。また、当社が使っているコピー機はキャノン製なのでキャノンに、コピー機から飛散するトナー粉塵の量のデータはあるかと聞いてみたら、答えはノーだった。

[2014/03/22]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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