思考断片

値上げがもたらす新たな経営戦略。粗利確保と働き方改革の可能性

 

原材料価格の高騰が続き、長らくベーカリー業界を悩ませてきた。多くの店が仕入れ負担を吸収しきれず、幾度となく値上げに踏み切らざるを得なかった。

しかし値上げは顧客の購買意欲を直撃し、販売数の減少を招くリスクがつきまとう。そこで各店は、値上げ幅と販売数の変化を細かく検証しながら、利益を守るための試行錯誤を重ねてきた。

その過程で導き出された結論は「販売数が減っても粗利さえ維持できれば経営は成り立つ」という考え方だった。むしろ販売数が減ることで、仕込みや販売にかかる工数を削減でき、少ない労力で同じ粗利を確保できるということにも気づいた。

これは慢性的な人手不足に直面するベーカリーにとって大きな意味を持つ。このことにより、労働時間の短縮や休日の確保が可能になれば従業員の心身の負担を軽減でき、職場環境の改善にも直結する。

値上げは単なる価格調整にとどまらず、結果として働き方改革を後押しし、業界全体の持続的発展につながる可能性を秘めているのだ。

[2025/08/21]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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