思考断片
ベーカリーの厨房で働く人たちは、体や手足の動きが機敏であることこの上ない。
今月号の特集のテーマは「生産性向上と働き方改革」だ。「生産性向上」と「働き方改革」の関係は、原因と結果の関係と捉えることができる。まずは生産性を向上させなければ何も始まらないということだ。
ベーカリーの厨房で働く人たちは、体や手足の動きが機敏であることこの上ない。生地の丸め作業は両手を使い、生地玉2つを同時並行で丸めるのは当たり前。2つのボトルに入った材料をミキサーボウルに投入する際も、当然2つ同時に注ぎ込む。サッカー選手がピッチの上で機敏なのと全く同じで、見ていると背筋がピンと引き締まる。
パン職人が厨房で行う作業のスピードは、パンの生産性に直結する。仮に人件費比率が3割だとすれば、店平均の作業スピードが1割上がれば、年間売上が1億円の店なら、年間333万円の利益底上げになるのだから、血眼になって、製パンの技を磨くしかないだろう。
今回取材したピーターパンでは、1つの作業の過程を撮影したモデル動画を用意し、出来る限り作業時間を短くする方法をみんなで考えているという。
[2025/10/22]


