思考断片
パン屋は“やりたいこと”から設計した方がうまくいく
パン屋経営では「客のニーズに合わせた商品づくりが重要だ」と当然のように語られる。しかし実際には、それを出発点にすると無理が生じ、長続きしない例も少なくない。
むしろ、自分がやりたいこと、自分の技術や体力で無理なく続けられるパン作りを最初に据え、その中で客に受け入れられるものを探す方が、成功の確率は高いのではないか。
パン作りは日々の反復作業であり、仕込みから焼成まで一貫した判断が求められる。流行や想定客層に合わせ過ぎると工程が複雑化し、品質のばらつきにつながりやすい。一方、自分の得意分野に絞った店は判断基準が明確で、パンの完成度が安定する。
例えば、食パン一本に特化し、焼成回数や販売時間を自分のリズムに合わせて設計した結果、固定客を獲得した店がある。また、ハード系を軸に据え、無理に菓子パンを増やさず支持を得ている例も同様だ。
自分が無理なくでき、なおかつ客が喜ぶ領域を深く掘ることこそ、継続性と信頼を生む合理的な経営ではないだろうか。
[2026/01/26]


