思考断片

大丈夫か、アメリカ。

 

 アメリカがすごいことになっている。11月3日の大統領選挙で、民主党のバイデン候補が、現職の共和党、トランプ大統領を破って勝利したのは、ご存知の通りだ。本来なら、敗者のトランプ氏が、負けを認める演説を行って、新大統領のもとで団結して前進していこうと、国民に呼びかけるところだが、トランプ氏は負けを認めることがどうしてもできない性格らしく、どう考えてもまっとうな人間がするこではないような類のことを、一切悪びれることなく、次々と実行に移しているのだ。

 証拠なしの訴訟を連発し、ことごとく却下されて行き詰ると、今度は、接戦だった州の選挙人に接触し始めた。アメリカの大統領選は、州ごとに指名された選挙人がいて、各州での得票が多かった候補が、それぞれその州の選挙人を総取りし、獲得した選挙人の数が多かった方が勝利する仕組みだ。そして、その結果を受けて、各州で選挙人が集まって、実際にその州で勝利した候補に票を投じるセレモニーが行われる。

 トランプ氏は、トランプ氏が接戦で敗れた州の選挙人に、そのセレモニーでトランプ氏に投票するように圧力をかけているというのだ。アメリカの法律は、そんなことをする人がいることを想定していないのかどうか、選挙人が必ず実際の選挙結果に従った投票をしなければならないという明確な規定がないというのだ。

 もし日本の選挙で、不正の証拠なしに選挙結果を覆せと訴訟を連発したり、選挙管理委員会に働きかけたりしたら、それが公になった時点で、その候補は政治生命を失うだろう。

 ところが、アメリカでは、そんなトランプ氏の言うことを、本気で信じている人が、彼に投票した7100万人全員ではないにしても、大量にいるのだ。大丈夫か、アメリカ。

[2020/12/20]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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