思考断片

「サンドイッチ」か「サンドウィッチ」か

 

 「サンドイッチ」か「サンドウィッチ」かの議論にたまに出くわすことがある。僕の偏見かも知れないが、「サンドウィッチ」を主張する人には、食の専門家やグルメを自負する美食家の人が多いように思える。

僕はといえば、いつも「サンドイッチ」と言っているし、書いている。「サンドウィッチ」を主張する人は、おそらく英語の発音により近いということが根拠になっているように思う。「サンドイッチ」が生まれた国の言葉の発音に近い方が正しいというのもうなずけない話ではない。

しかし、日本語の正しい発音で「サンドウィッチ」と言っても、おそらくイギリス人にもアメリカ人にも伝わらないはずだ。英語の音声の専門家の僕が言うのだから信じてほしい。

僕が「サンドイッチ」を使うのは、美しい日本語を使いたいからだ。日本語には子音の「W」に母音の「い」が続く音はもともとは存在しなかった。しかしながら、Windowsを「ウインドウズ」と言うかといえば、そうではないし、Winterは「ウインター」ではなく「ウィンター」だ。

それなら、僕が「サンドイッチ」の方がしっくりくる理由は、多くの人が長く使ってきた日本語であるがゆえの浸透度の高さかも知れない。言葉は文化であるから、より広く認知されている方が正しさの度合いは高いと思う。

外来語の発音は、その言葉が入ってきた時に、その時代を生きる日本人の脳にどのように定着したのかによるのかも知れない。

[2021/11/21]

INFORMATION

小平隆一
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住