思考断片

パンの適正価格について考えること

 

今月のブランスリーの特集では、原材料高騰についての取材を行った。原価が上がった分をどうするかで、色々と思い悩む姿が浮かび上がってきたが、やはり値上げは避けて通れないようで、それぞれに、様々な要素を考慮しながら、値上げを実施している。

記者から上がって来た記事を熟読して、ピンと来たのは、値上げして、売れるパンの数がたとえ減ったとしても、値上げした分が補う形で、パンが売れる額がもし値上げ前と同じに維持出来たら、そちらの方がはるかにいいのではないかということ。

まず第一に、値上げしたことによって利益幅が大きくなり、値上げ前と売上額が同じなら、利益が多くなる。さらに、作る数が少なくなることによって、製造コストも少なくなる。

もっと言えば、値上げしたことで、パンが売れる数と額の両方が減っても、値上げ前と利益額が同じであれば、許容できるのではないだろうか。なぜなら、値上げ前と同じ利益額を稼ぐために作らなければならないパンの数がさらに減り、製造コストがさらに少なくなるからだ。

パンの価格を少しでも上げていきたいというのがリテールベーカリー業界関係者の願いだとしたら、こうしたことを一つ一つ考えながら、少しづつ様子を見ながら、値上げをしていくのもありなのではないかと思う。

価格の常識の形成は慣れることから始まるのかも知れないし、値上げと同時に付加価値もできる限り上乗せするようにして、それを分かるように客に説明する努力を重ねていけば、道は開けるのではないだろうか。

[2022/03/01]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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