パンあれこれ

パンの香り

 

パンの香りとよくいう。今さらだが、パンの香りとは何だろうか?

まず思いつくのは、パン屋さんの近くを通った時に感じる独特のいい匂いだ。パンを焼くことによって発生した匂いの成分が空気を伝わって鼻に達して感じ取られる刺激のことだ。

これまで、数多くのパン職人が、パンの香りへのこだわりについて語るのを聞いてきたが、おそらく、彼らがいうパンの香りとは、上記の刺激ではない。

あるパン職人は、パンの香りとは何かを聞くと、一切れのパンを僕に手渡した。つまり、彼が言うパンの香りとは、食べたときに感じる刺激なのだ。

パンを口に入れて、嚙み砕いたとき、舌で味を感じると同時に、かみ砕いたことによって発生した匂いの成分が、鼻に抜けてそこで匂いを感じる。彼が言うパンの香りとは、この時の香りに違いない。

舌で感じる味とそこから鼻に上った匂いの総体がパンの味の実態なのだ。いやパンの味というよりパンの風味と言った方がいいのかも知れない。

試しに鼻をつまんで、パンを食べてみたが、どうにも味気なかった。

[2015/02/27]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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